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COLUMN

2020.06.16M&A事例

ベンチャー企業とM&A―②

  • M&A

本コラムでは、当社の経験豊富なシニアマネージャーが過去に携わったM&A案件を事例としてご紹介いたします。この情報が関与先様へのアドバイスの一助となれば幸いです。なお、文中の記載には私見が含まれていることをあらかじめご了承ください。



前回のつづきをお送りいたします。

↓前回分はこちら↓
 ■ベンチャー企業とM&A―①



このような状況下で私達はA社の経営者から相談を受けました。今後の事業拡大のためには1億円程度の新規資金が必要なことが判りました。
私達はA社についてさらに色々と確認してみたところ、A社が参入している市場は将来的な拡大が期待できること、A社の技術水準は高くないが、製品供給の対象先市場によっては決してマイナスには作用しないこと、A社製品はシンプルな設計であり、競争力のある販売価格設定が可能なことがわかってきました。
一方でA社製品には唯一とまで呼べるような特徴はなく、A社自身も知名度が低く、ブランド構築に相当な苦労を伴うことが予想されました。

私達は経営者に対して、事業シナジーを持てる企業を見つけ、そのグループ企業になって成長を追求する策が良いのではないかと提案したところ、経営者も自身の力の限界を感じており、グループ入り後もビジネスに関与できることなどを条件に議決権の過半数を渡してもよいとの結論に至りました。

私達はA社のファイナンシャルアドバイザーとして、A社の経営者と議論を重ねながら、A社と事業シナジーが期待出来る相手企業をピックアップしてコンタクトを開始しました。そして、その中からA社に強い関心を示した大手マーケティング会社のB社と話を進めることにしました。
話は上手く進み、デューデリジェンスも滞りなくこなしました。

ファイナンス条件は、1億円の新規資金を第三者割当増資で調達するとともに少数株主の保有株の譲渡も併せて行なってB社が6割強を保有し、経営者の保有も1/3強を保つという事で決着しました。

極小サイズの赤字企業が、1億円以上の資金獲得に成功したわけです。A社は業界では特に異彩を放つ存在ではなく、自力での外部資金調達も困難な状況にありましたが、事業シナジーのある企業を見つけられたことから次のステージに進むことが出来ました。

規模の小さな企業にとって、立ち止まってしまうことは死活問題になりかねません。A社の経営者は、自力単独での経営拡大に拘らずにビジネスの存続を最優先させる判断を行い、難局を切り抜けることが出来たのです。








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