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COLUMN

2023.08.01信託

自然保護と信託

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夏休み期間中ですので、少しそれらしい話題についてお話をしてみたいと思います。
皆様、タガメという昆虫をご存知でしょうか。日本最大の水生昆虫で、メスの方が体が大きく、6cm以上にもなります。昆虫好きの筆者にとって子供の頃からの憧れの昆虫であり、かつて初めてタガメを捕まえた時の、その感動は今でも忘れられません。
ただし環境の変化や農薬等に弱いこともあり、現在では完全な絶滅危惧種となり、2020年には「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」(いわゆる、種の保存法)によって、販売目的での捕獲、売買が禁止されています。
本日はそんなタガメが棲むような、いわゆる、里山の環境を守るために信託が使われている事例をご紹介致します。なお、以下では東京都日野市の事例をご紹介していますが、日野市にタガメがいる、日野市でタガメが獲れるということを申し上げている訳ではございませんので、その点は何とぞご了承願います。

1.東京都日野市「緑地信託制度」

東京都日野市は都心から西に35キロ、東京都のほぼ中心部に位置し、豊な自然を維持しつつも、大規模な工業団地の進出や、JRや私鉄、モノレール等が走ることで首都圏の住宅都市としての顔も持つ都市というのが、同市のホームページから窺える概要となります。
その日野市では平成元年(1989年)に「日野市緑地信託等に関する条例」が制定され、概略以下のような取組みにより自然環境の保全が図られています。
①対象となる緑地は、樹林地で良好な自然的環境を形成している土地と定義され、
いわゆる里山のイメージ
②市がこの緑地を保全するための基本計画を策定し、積極的に保護を推進すること
③緑地保全の方策としては、緑地保有者が委託者となって市長が指定する公益的法人を受託者とする不動産信託契約や、市長と緑地所有者の間で地上権、賃借権等を設定する方法があること
④対象となる緑地については所有者に対して固定資産税や都市計画税の減免措置があること
⑤対象となる緑地の所有者が、その緑地の譲渡等を計画する場合には、日野市に届出が必要であり、日野市に先買権があること
この取組みの成果として、令和5年(2023年)の日野市の環境審議会資料では、約35,430平方メートルの緑地信託地があると記載されています。(ただし、信託によるものとそれ以外の手法によるものとの内訳は不明です)。日野市の全体の面積27.55平方キロメートルに比べれば、決して大きな面積ではないということかも知れませんが、30年以上前からこうした取組みがされてきたことは非常に意義深いものと考えています。


2.その他の環境維持等に関係する信託の活用
ご紹介した日野市の事例は里山の環境保全という観点での制度ということが言えるかと
思いますが、他にも農地信託や山林信託という概念があります。いずれも、放棄されて管理者がいなくなってしまうと経済的な価値を著しく損なう、小規模な田畑や山林が分散することは経営効率が悪い、といった観点から、信託機能を活用して経済的な価値を高められないかという考え方になります。
ただし、これらも、田畑や山林がしっかりと管理されることにより、結果として生物多様性に富んだ自然環境の維持につながるとも考えられます。
 
動物、昆虫好きの筆者としては、自分が初めてタガメやルリボシカミキリを捕まえた時の感動を、未来の子供達にも味わってもらいたいし、その権利を奪ってはいけないと考えており、そのために信託が役に立つことを心から願っております。


私ども日税グループでは信託に関するご相談を承っております。
ご相談段階では無料で対応させていただきますので、お気軽にご相談下さい!





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