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COLUMN

2023.11.21信託

信託と税

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信託は税務的には中立の制度であり、信託を活用したから何らかの税務メリットが得られるということは基本的には無いというのは皆様もご承知の通りかと思います。
ただし、信託商品によっては生前贈与時に贈与税が非課税となることから、相続対策として使えるものがありますし、また信託の重要な機能の一つである財産の転換機能、つまり現物資産を信託受益権という債権に転換することで分割、贈与がやり易くなるという特徴を活用した生前贈与による相続対策もあります。
以下ではそういった商品や仕組みを2023年の税制改正も絡めながらご紹介してみたいと思います。

1.贈与税非課税特典のある信託の商品

 贈与税が非課税になる商品としては、例えば「特定贈与信託」「教育資金贈与信託」「結婚・子育て支援信託」といったものがあります。

①特定贈与信託
 “親亡き後の支援問題”という言葉をお聞きになられたこともあるかと存じます。障がい者のお身内がいらっしゃる方にとってご自身が亡くなられた後の障がい者の方の生活支援をどうしていくかは切実な問題かと存じます。
この商品はご自身の財産を障がい者の方を受益者として、受託者である信託銀行や信託会社に信託設定することで、定時または臨時の生活費や医療費等の交付を受託者に行わせて、障がい者の生活の支援を図るものです。
障がいの度合いに応じて、特別障がい者であれば60百万円まで、それ以外の特定障がい者であれば30百万円まで、贈与税非課税で障がい者の方のための資産を確保することが可能になります。
信託銀行や信託会社によって手数料率はバラバラですし、何を信託財産として預かってくれるかの対応も異なりますので、そのような関与先様がいらっしゃればいくつかの先に確認してみる価値はあるのではないでしょうか。

②教育資金贈与信託
 お子様やお孫様等への教育資金の贈与の際にこの商品を使うと、15百万円を限度に贈与税が非課税となります。この商品は運用型信託会社や外国信託会社、信託の兼営免許のある金融機関等に取扱いが限定されています。

③結婚・子育て支援信託
②と同様に、この商品を使うと、お子様やお孫様等の結婚や出産、子育てに関する資金を10百万円まで贈与税非課税で援助することができます。この商品も②と同様に、取扱いは運用型信託会社や外国信託会社、信託の兼営免許のある金融機関等に取扱いが限定されています。

④2023年税制改正との関係
今般の税制改正で税制上の優遇措置の適用対象が「教育資金贈与信託」は2026年3月31日までに信託銀行等と契約を締結した分に延長され、「結婚・子育て支援信託」は2025年3月31日までに締結した分に延長されています。


2.信託受益権の分割贈与による相続対策
信託の機能はいくつか有りますが、基本の機能が財産管理機能であることは言うまでもありません。ただし、それ以外にも重要な機能があり、以下では財産の量・質の転換機能と言われるものを活用した相続対策をご説明致します。

①信託受益権による暦年贈与
 私どものグループ会社で取り扱った例で、高齢の委託者から収益物件の信託を受けて、その信託受益権を小口多数に分割して、多数のお子様、お孫様たちに毎年、定例的に贈与
したという事例があります。収益物件現物のままでは多数の方への分割贈与は難しいところ、信託受益権による贈与によってこれを実現したというものになります。
 税理士の先生と委託者兼当初受益者が相談しながら、毎年、贈与契約を締結して贈与を行うもので、適切な相続対策になったものと考えています。

②2023年税制改正との関係
今般の税制改正で生前贈与加算される年限が相続発生前3年から7年に延長されています。2024年1月1日以降の贈与からこれが適用になります。この点に留意する必要はありますが、元来この税制改正の趣旨の一つが早期の若年世代への資産移転を促そうというものですので、計画的に信託受益権の贈与を行うことで適切な相続対策を行うことは引き続き有効と考えます。


私ども日税グループでは信託に関するご相談を承っております。
ご相談段階では無料で対応させていただきますので、お気軽にご相談下さい!




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