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COLUMN

2025.08.28信託

信託にかかる「税金・税制の特例」について

  • 信託

⑴信託税制の原則
①所得税・法人税
信託財産の実質的な所有者が受益者であることを踏まえ、税法では、信託財産から収益が生じた場合、実際に収益を受け取る受益者に対して課税することとされ、これを「受益者課税の原則」といいます。従って、その信託が自益信託(委託者=受益者)なのか他益信託(委託者≠受益者)なのかが重要な意味を持ちます。
受益者が法人になる場合は、法人税課税となり、個人の場合は所得税課税(不動産所得、利子所得、配当所得など所得区分に従う。)となります。
よって、信託期間中の事務については、受託者が対応することになりますが、確定申告等においては、受益者の名義で行うこととなります。
②贈与税・相続税
 信託設定時、信託終了時のそれぞれのタイミングで課税されます。
a.信託設定時
原則、委託者から受益者への贈与があったとみなされ、贈与税が課税されます。
ただし、自益信託(委託者=受益者)の場合は課税はありません。ご自身の認知症対策として信託を組成することが多いため、ほとんどの場合で課税されていません。
b.信託終了時(または受益権移転時)
相続や贈与と同様に課税されることとなります。
ただし、委託者自身に信託財産が戻ってくる場合等には課税されません。

③登録免許税
不動産を信託する場合には、信託設定時、信託終了時での所有権移転や受益者の変更時等で、登録免許税がかかります。信託登記費用は家族信託の組成コストの中で相応の割合を占めますので必ず事前に司法書士の見積もりを取得することをおすすめします。
a.信託設定時
・委託者から受託者の信託による所有権の移転登記および信託の登記
  固定資産税評価額×4/1,000 (土地は2026年3月31日まで3/1,000に軽減)
b.信託期間中
・受益者の変更登記 不動産1個につき、1,000円
c.信託終了時
  ・不動産を帰属権利者(終了後の財産の受取人)への所有権移転
   固定資産税評価額×20/1,000 (帰属権利者が相続人である場合は4/1,000)
・信託登記の抹消 不動産1個につき1,000円

 ④不動産取得税
a.信託終了時
原則、固定資産税評価額×30/1,000(一定の要件を満たす場合は相続として非課税)


⑵信託に関する主な税制の特例
信託では、非課税特典のある商品や税制の控除や特例において、信託をご利用のうえでも適用できるものとできないものがあります。主な例が以下になります。

①贈与税課税の例外として非課税特典があるもの
・教育資金贈与信託 ※1,500万円を限度に非課税
・結婚・子育て支援信託 ※1,000万円を限度に非課税
・特定贈与信託(特定障がい者扶養信託) ※障害の等級により最大6,000万円の非課税
  ※いずれも信託会社や信託銀行等にお申込みいただく商事信託における商品になります。

②税制の控除や特例 適用できるもの・適用できないもの
a.適用できるもの
・小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例 (最大80%の減額)
・居住用不動産についての贈与税の配偶者控除 (2,000万円+基礎控除110万円)
・居住用財産の譲渡所得の特別控除(マイホーム売却の譲渡所得控除3,000万円)
・居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の計算の特例
(特定のマイホームを買い換えたときの特例)
b.適用できないもの
   ・信託した不動産とそれ以外の不動産の損益通算
   ⇒不動産信託の損失は発生しなかったものとみなされ、他の不動産所得の利益から
   差し引くことはできませんし、損益通算の対象ともなりませんので、収益不動産を
多く所有されている方は要注意
です。
   ・相続後の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得税の特別控除の特例 ※原則不可
    
 ほかに相続発生時の債務控除についても留意する必要があります。
収益物件とローンがセットになっている場合の家族信託では金融機関との交渉は必須であり、信託の形態、条件により債務控除できない可能性がありますので、信託設定時によくご検討いただく必要があります。

上記のような個別の税制については留意する必要がありますが、信託という制度は基本的には税務的には中立な制度です。このため、上記⑵①の非課税枠のある信託を除いて、原則、信託単独での節税効果はありませんので、相続対策として、他の方法と組み合わせて活用することが重要になります。


私ども日税グループでは信託を活用した資産・事業承継のご相談に専門の職員が丁寧、親切にご対応致します。ご相談は無料ですので、お気軽にお問合わせ下さい。
お問合わせをいただいた税理士先生には信託の小冊子を謹呈致します)



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