MENU MENU

COLUMN

2026.03.31信託

事業承継信託の基本的な仕組み

  • 信託

<事業承継信託の基本的な仕組み>

事業承継信託とは、現企業オーナーが保有する自社株式や経営に関する権利を信託し、あらかじめ定めた条件に従って後継者へ承継させる仕組みです。一般には、信託銀行や信託会社などを受託者とする「商事信託」の形で利用されることが多く、「 自社株承継信託 」とも呼ばれています。

この仕組みの大きな特徴は、企業オーナーの意思を信託契約という形で明確に残し、その内容に基づいて将来の承継が実行される点にあります。これにより、
・企業オーナーの死亡や引退時にも スムーズな権限移行が可能
経営の空白期間の発生を防止

といった効果が期待できます。

もっとも、信託契約の締結には委託者である企業オーナーの十分な判断能力が前提となります。認知症の発症や健康状態の悪化により判断能力が低下すると、適切な契約締結が困難となるため、 早期の検討・準備が極めて重要 です。

<柔軟な制度設計が可能>
信託の大きなメリットの一つは、その設計の自由度の高さにあります。
特に株式の信託においては、
・議決権(経営権)
・財産権(配当等を受け取る信託受益権)
を分離して設計できるため、経営と財産承継を切り分けながら、関係者の意向に応じた柔軟なスキーム構築も可能です。

①相続タイプ(遺言代用型)
~亡くなった後、経営の空白期間を発生させることなく後継者へバトンタッチ~

企業オーナーが保有されている自社株式を受託者(信託会社等)に信託。企業オーナーがご存命中は、受託者(信託会社等)に議決権行使の指図をすることができ、受託者(信託会社等)を通じて自社株式の配当等を受取ることができます。企業オーナーに万が一のことがあり、相続が発生した際は、遺産分割協議を経ることなく速やかに後継者の方に自社株式をお渡しすることができます。


②生前贈与タイプ(議決権留保型)
~経営は自分、財産は先に後継者へ~

企業オーナーが保有されている自社株式を受託者(信託会社等)に信託。信託契約で、議決権(経営権)を企業オーナーに留保する一方、財産権(配当等を受け取る信託受益権)は後継者に贈与するタイプです。企業オーナーに万が一のことがあり、相続が発生した際は、遺産分割協議を経ることなく速やかに後継者の方に自社株式をお渡しすることができます。



利便性の高い制度である一方、導入にあたっては以下の点に注意が必要です。

① 他の相続人とのバランス
後継者に株式を集中させることで、他の相続人との間に不公平感が生じ、 遺留分侵害額請求に発展する可能性があります。そのため、全体の財産配分や補完的な対策(生命保険の活用など)も含めた総合的な設計が重要です。

② 税務面の検討
信託を活用した場合、 事業承継税制の適用が制限されるケースがあります。税務上の影響はスキーム選択に大きく関わるため、慎重に検討する必要があります。

③ コスト・運用面
商事信託を利用する場合には 信託報酬が発生するため、費用対効果の観点からの検討も欠かせません。なお、日税グループには商事信託の信託会社がありますので、お気兼ねなく費用等についてご相談ください。

<まとめ>
事業承継信託は、経営権の安定的な承継を実現する有力な選択肢の一つであり、特に経営権の分散リスクを回避する観点から有効とされています。
もっとも、
・遺贈
・生前贈与
・有償譲渡
・会社法における種類株式の活用
など、複数の手法との比較検討を行ったうえで、自社にとって最適な承継方法を選択することが重要です。

事業承継信託についてご関心をお持ちいただいた場合、
・まだ何も決まっていない段階でも問題ありません
・現状整理のみのご相談も可能です
まずは日税グループの担当者までお気軽にご相談ください。

私ども日税グループでは、株式会社日税経営情報センターにおいて家族信託のコンサルティングを、株式会社日税信託において商事信託を取り扱うとともに、2025年1月より遺言信託の取扱いも開始しております。 税理士先生や関与先様の幅広いニーズにお応えすべく、相続・資産承継のご相談に専門の職員が丁寧かつ親切にご対応致します。ご相談は無料ですのでお気軽にお問い合わせください。
(お問い合わせをいただいた税理士先生には信託の小冊子を謹呈致します)

お問合わせをいただいた税理士先生には信託の小冊子を謹呈致します



あわせて読みたい!
民事信託(家族信託)と商事信託の違い信託活用事例【海外編】



サービスのご案内
日税民事信託コンサルティングサービス日税事業承継支援サービスメールマガジンのご登録



免責事項について
当社は、当サイト上の文書およびその内容に関し、細心の注意を払ってはおりますが、いかなる保証をするものではありません。万一当サイト上の文書の内容に誤りがあった場合でも、当社は一切責任を負いかねます。
当サイト上の文書および内容は、予告なく変更・削除する場合がございます。また、当サイトの運営を中断または中止する場合がございます。予めご了承ください。
利用者の閲覧環境(OS、ブラウザ等)により、当サイトの表示レイアウト等が影響を受けることがあります。
当サイトは、当サイトの外部のリンク先ウェブサイトの内容及び安全性を保証するものではありません。万が一、リンク先のウェブサイトの訪問によりトラブルが発生した場合でも、当サイトではその責任を負いません。
当サイトのご利用により利用者が損害を受けた場合、当社に帰責事由がない限り当社はいかなる責任も負いません。



株式会社日税経営情報センター