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COLUMN

2021.07.08税務コンサルのポイント

【事業承継税制(特例)】事業承継税制(特例)を利用したM&A譲渡価格減額要請リクエストの方法・実効性

  • 富裕層コンサルのイロハ
  • 事業承継税制

Q. 事業承継税制(特例)を利用したM&A譲渡価格減額要請リクエストの方法・実効性

表題の件につきご教示ください。


Answer

売主会社が事業承継税制(特例)適用対象会社の場合、将来、中小・零細企業M&A実務において、下記のような価格交渉手法が定着するかもしれません。

【解説】
業績悪化事由において株式譲渡の場合は、一定の要件のもと、当該株式譲渡時に一部免除、さらに2年後に上乗せで一部免除が期待できます(措法70の7の5 ⑭等)。
この一定要件は下記です。

M&Aにおける買主側で当初譲渡後、当該2年を経過する日において、次の要件すべてを満たす場合になります(措令40の85㉛等、措規23の12の2 ㉗等)。

(1)一定の業務を行っている。

(2)(当初)譲渡等の事由に該当することとなった時の直前における特例認定贈与承継会社の常時使用従業員のうちその総数の2 分の1 以上に相当する数の者が、当該該当することとなった時から当該2年を経過する日まで引き続きその会社の常時使用従業員である。

(3)事務所、店舗、工場その他を所有し、又は賃借している。


価格交渉で利用できるのは(2)でしょう。
当初M&Aにおいて売主会社の従業員を解雇した場合、上記の特典(2年後の税メリット)の恩恵を授かることはできません。
売主会社従業員継続雇用コスト(その他の雇用リスクも同時に考慮する必要があります)と2年後の一部免除額との有利・不利判定をし、買主側は最終価額を調整することになります。



※コラムに関するご質問は受付しておりません。予めご了承ください。



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伊藤 俊一

税理士
伊藤俊一税理士事務所 代表税理士。
1978年(昭和53年)愛知県生まれ。税理士試験5科目合格。
一橋大学大学院修士。都内コンサルティング会社にて某メガバンク案件に係る事業承継・少数株主からの株式集約(中小企業の資本政策)・相続税・地主様の土地有効活用コンサルティングは勤務時代から通算すると数百件のスキーム立案実行を経験。現在、厚生労働省ファイナンシャル・プランニング技能検定試験委員。
現在、一橋大学大学院国際企業戦略研究科博士課程(専攻:租税法)在学中。信託法学会所属。