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COLUMN

2021.04.01企業再生・経営

金融機関交渉Q&A vol.63

  • 借入金

本コラムは、(株)日税ビジネスサービスの「日税主催研修」「日税オンデマンド」でも講師としてご活躍いただいている(株)事業パートナーの代表取締役社長・松本光輝先生に、300社を超える会社の再生の成功体験をもとに、金融機関交渉に関してQ&A形式でまとめて頂きました。この情報が関与先様へのアドバイスの一助となれば幸いです。



■現状
経営者の夫を亡くしてしまった奥様からの債務の返済についての相談。
会社の経営者であった夫が亡くなりました。自宅を残してくれましたが、自宅の価値以上の銀行への借金も残りました。
成人している子どもが2人います、銀行の借金は妻の私と子ども2人でどのように返済するのでしょうか?


■アドバイス
会社の経営者であった夫が銀行の連帯保証人であるとすると、法律的には法定相続分通り、この場合は妻が2分の1、子供2人が各4分の1ずつ銀行の借金を引継ぎます。


■留意点

①銀行がプロパーで会社に貸付けている場合

②銀行からの借入金を保証協会が債務保証をしている場合

上記の2通りがあります。それぞれの場合で対応の仕方は異なります。

①の場合

1)被相続人である夫の資産を負債と比較して相続放棄の可能性を探ります。

2)サービサー等に債権譲渡されていないかを確認します。

3)債権譲渡されていなければ、相続放棄がないという前提で、相続人が引継ぐ借金の減額交渉をします。

4)相続人に借金を上回る資産があれば、基本的には全額支払わなければなりませんが、資産が少なければ調停を申し立てて和解に持っていきます。

5)また、債権譲渡されていれば、サービサーとの和解交渉となります。これは、高度な知識が必要で専門家の領域となるので別のところで説明したいところです。

6)大切なことは“銀行とできない約束をしてはならない”返済のための資金調達で第三者を巻込んではならない”ということです。


②の場合
保証協会というのは中小企業支援の立場にあります。
銀行の貸付債権が保証協会へ移った場合、保証協会は“求償権”を得ます。保証協会は相続人に法定相続分通りに返済を求めます。
しかし、この返済請求は銀行やサービサーと異なり、現実に支払える額が基本の返済額となります。
また、被相続人や相続人の所有する不動産に担保が付いている場合でも、銀行やサービサーのようにすぐに売却の要求や競売にいくことは基本的にはありません。





※コラムに関するご質問は受付しておりません。予めご了承ください。



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松本 光輝

株式会社事業パートナー 代表取締役40年にわたり、飲食業を中心に会社経営。バブル崩壊時に25億円の負債を抱え、その後3年半でその負債を解消する。2003年より、事業再生請負人として全国行脚中。この間、依頼先の多くが1~2ヶ月以内に、資金ショートに陥るおそれがあるという危機的状況の中から、1社も倒産させることなく、300社を優に越える会社の再生を成功させる。
◎過去の経験を活かして、中小企業経営者の最高の相談者となるべく、活動を続けている。
◎経営者はもとより、幹部社員の皆様・社員の皆様の声をくみ上げ、共に全社一丸となった再生を達成すべく、全力で取り組んでいる。着手後、30日以内に再生計画を作成して、実行に移している。
◎会社を3年かけて再生させる独自の再生術は、他に類を見ません。